11 TEDxKeioスピーカー 伊藤公平さんとの対談

山本 奨 TEDxKeio Eventチーム

11/15、夕方。ナノテク研究の第一線でご活躍されている伊藤公平先生との初顔合わせとあって、僕たちスタッフは緊張でいっぱいだった。

ナノテクノロジー、シリコン量子コンピュータ、単一原子核スピン…

予習をしていこうと思っても、何しろ言葉が難しくて何のことかわからない。数時間調べたあげく、「どうやらものすごい研究のようだ」という緊張だけが僕たちを渦巻いていた。

 

実際話し合いが始まってみれば、伊藤先生はフランクでとにかく親しみやすい、すてきな方だった。研究内容のご説明もアニメやロボットを交えておもしろおかしく説明してくださり、とにかく話に引き込まれた。こんなに親しみやすい物理の授業を受けたのは何年ぶりだろう…。

 

なにより印象的だったのは、伊藤先生の言葉の節々から感じる「情熱」だ。

Ultimateなscienceとは何か。「何に役に立つか」という問いに答えるためだけの研究が、果たして一番大事なことなのか。そもそもなぜ物理学者は研究に駆り立てられるのか。

詳しくは当日にお話しいただけるだろうから割愛するが、いずれにせよ、難しい話が難しい話に感じない、あっという間の2時間だった。

 

TEDという名が表す通り、TEDxKeioもまた、様々なフィールドの方々が登壇される。おそらくお目当てのスピーカーがいる方も、そうでない方もいるだろう。もしかしたら僕と同じように、「う、物理はちょっと…」という方もいらっしゃるかもしれない。

でも、今回のテーマは「crossing」。そうした、今までまったく関わりのなかったフィールドの人々が交わり、化学反応を起こす日だ。

伊藤先生のお話にド文系の僕が引き込まれたように、ひとりでも多くの人が「cross」し、刺激し合えたら、と願うとともに、そういった場をともに作り上げられる12/23が、待ち遠しくて仕方がない。

09 TEDxKeio スピーカー 水野雄介さんとの対談

小杉 亮人 TEDxKeio Speakers Selectionチーム

11月28日、Life is Tech!目黒オフィスを訪ねた。

ここに来るのは初めてではないが、本拠地に乗り込むというのはなかなかに緊張感のあるものである。

部屋に入ると水野さんは頭を抱えて待っていた。


水野さん個人のお話、Life is Tech!で行われている中学生、高校生のためのプログラミング・ITキャンプの話、水野さんが会社を立ち上げたときの話、世間話…
これまで様々な話をさせて頂いた。

一つ一つのエピソードや、水野さんがLife is Tech!の向こう側にもつアイディアについては非常に魅力的であったものの、全体を束ねる「ストーリー」というものが中々見えてこない日々が続いていたのだった。

どうせやるなら良いものにしたい、チャレンジしたいという水野さんの思いもあいまって、
この日も色々な話をさせて頂いたが相変わらずまとまらず、しばしの沈黙が流れた。

 

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しかし、次の瞬間水野さんがおもむろに口を開いた。


「分かりました。こうしましょう。」

 
その後水野さんの口から語られたストーリーはとても魅力的なものだったし、

「それならこういうのはどうでしょうか」と、我々の口からも次々と感想かこぼれていた。

びっくりするくらい話が進み、あの悶々とした日々が本当に嘘のようだった。

帰り道、11月の寒空の下、私の心は晴れ晴れしていた。

 

さて、水野さんは当日どのようなストーリーを奏でることになったのか。
是非、皆様の目で、耳で確かめて頂きたい。

 

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06 TEDxKeio スピーカー 日置駿さんとの対談

重倉桃子 TEDxKeio Eventチーム

TEDxKeioスピーカーの日置駿さんと当日へ向けての会議をおこなった。場所は三田キャンパス内にある、落ち着いた雰囲気のカフェ。和やかな雰囲気の中、会議は進行していった。

日置さんは現在、法学部に在籍しており、ヴァイオリニストとしても第一線で活躍している。また、ソリストとしてコンサートで演奏する傍ら、オーケストラMOTIFを立ち上げ、その活動で集まった収益金で発展途上国への支援をおこなっている。

MOTIFという言葉はフランス語で「動機」。このオーケストラは学生たちの「音楽で人のこころを震わせたい」という動機をもとに結成されており、音楽を知らない子どもたちに音楽を届けようと活動している。

 

日置くん

 

このように積極的な活動を続けている日置さんに、MOTIFの話はもちろん、家族やヴァイオリンを始めたきっかけ、音楽と日置さんのつながり、そして日置さんが信じる音楽の可能性について話を伺った。

「演奏することを目的にするのではなく、音楽によっていかに社会に貢献できるか。そのことを考えています。」

そう語る日置さんは、安易な表現であるが、とても輝いてみえた。日置さんが音楽にどれほどの可能性を見いだしているのか。それは、当日の彼のスピーチを楽しみにして頂きたい。

 

05 TEDxKeio スピーカー 中村壱太郎さんとの対談

堀内康資 TEDxKeio Speaker Selectionチーム

新橋演舞場近くの、とある会議室。
ここで、TEDxKeioスピーカーである中村壱太郎さんとの顔合わせが行われた。

 

歌舞伎俳優・中村壱太郎さん。
坂田藤十郎を祖父に持ち、若くして実績を積み上げてきた気鋭の歌舞伎俳優だ。
まさに「向こうの人」であり、緊張するなというほうが無茶な話である。

 

今回の目的は、当日の登壇に向けて、中村壱太郎さんのアイデアを引き出し、掘り下げるお手伝いをすること。しかし、相手はプロの表現者である。そんな彼に何か貢献できることがあるのだろうか?そんな無茶が、緊張の原因だった。

 

会議は、壱太郎さんが予め考えてきてくださった素案に基づいて進められた。最初は、壱太郎さんから溢れ出る興味深いお話に呑まれ、うなずくのが精一杯であった。しかし、壱太郎さんが過ごしたSFCでの生活に焦点が移ると、それを共有する学生から質問や意見が活発に生まれ、それを手がかりに、難しく聞こえていた部分を各々が理解し、疑問を壱太郎さんにぶつけていった。

 

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なぜ歌舞伎なのか。表現するとは何なのか。伝統とは何か。
核心的な話題に接近しつつ、話は深まっていった。ここに至って、すでに壱太郎さんは肩書による「向こうの人」ではなく、それを越える熱量と魅力をもった「おもしろい人」になっていた。

 

個人的にうれしかったのは、表現者としての壱太郎さんと、歌舞伎役者・中村壱太郎という二者の葛藤について尋ねたとき、「こんなインタビューをされたことはなかった」という言葉を頂いたことだ。「向こうの人」相手にこちらが学ぶだけでなく、一人のインタビュアーとして、新しい視点を持ち込み、互いに学び合う場を生み出すことができた。そして、それこそTEDxKeioが目指す”crossing”の価値であるように思う。

 

慶応義塾では、小学校から大学院に至る「縦糸」と、人文科学と自然科学を網羅する「横糸」が交差し、魅力的な出会いとアイデアが生み出されている。その交差点として明確な位置を占めうるのが、このTEDxKeioである。多様な人々が出会い、刺激し合って生み出される価値。TEDxと慶応義塾が共有する価値が、まさにここに凝縮されている。

 

「向こうの人」がさらに世界を変えるような価値を生み出していくだけではなく、聞き手である我々も、ひらめきや熱量を得て己の可能性に点火する機会になるに違いない。ぜひ、多くの方にこの「交差点」を目撃していただきたい。

 

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