03 サー・ケン・ロビンソン「学校教育は創造性を殺してしまっている」

井口奈保 Former TEDxTokyo Community Catalyst

 

TEDxTokyoとTEDxTokyo yzという2つのTEDx育成に携わってきた私とTEDとの出会いは2009年初頭。TEDxTokyoのco-founder,Todd Porterと知り合ったのがきっかけです。ライセンスを取得したばかり、イベントの場所と日にちだけは決定しているけれど、その他は何もないという状態でした。当時、私はTEDのテの字も聞いたことがなく、TEDxTokyoという言葉を知った方が先だったんです。参考にすべき他のTEDxも、頼りになる情報も存在しないまま、妄想だけを頼りにイベントの準備を始めました。世界で最初の2つのうちの1つであり、米国外初のTEDxイベントでした。

 

TEDxプログラムと同時期にTEDが始めたのがTED Open Translation Project。TEDxTokyoで上映するTED talksの翻訳チームをリードしていた私は、TEDからOpen Translation Projectのローンチ日までに翻訳を完成させて!とお尻を叩かれ、夜な夜な何十回と8本のTED talksを見続ける日々を続けました。これらが最初に見たTED talksです。映像翻訳が初めての経験だった上に、それを複数人で行なうための作業工程デザイン、さらにボランティアで集まった会ったことのないチームメンバーをビルドアップする任務。とにかく色んなことをジャグルしていた記憶があります。

 

私の思い出に残るTED talkは、中でも一番の回数を、0コンマ何秒単位でストップしては繰り返し見たSir Ken Robinsonの名TED talk「学校教育は創造性を殺してしまっている」です。翻訳と最終調整を担当しました。セリフを繰り返せるほど見たので内容についてはもはや何も触れません。それだけ見ても未だに見飽きることのないトークだと自信をもってオススメできます。世界中で最も視聴されている殿堂入りTED talkでもあります。問答無用でぜひ見てください!語られている1つ1つの寓話の成熟度、全体の話の展開、物腰、声のトーン、すべてに彼の人柄と話し手としてのクオリティの高さが表れています。私の一番好きなパートは、次の一文です。

 

“Frank sent this.”
— フランクさんが贈りました。

 

 

 

井口奈保 Naho Iguchi

Former TEDxTokyo Community Catalyst

文学部卒業。人間がいきものとして持つ本来性と繋がり、潜在的能力を拡張させると、意思決定プロセスや行動規範、現代の暮らしにどのような可能性が加わるのか。こうした問いとの対話を続け、自らの日常生活をアートとして提示する社会彫刻家の活動に従事。働くという概念、資本主義、等価交換経済などをテーマに、動物らしい命のまっとうの仕方を模索中。